フィードバックの力
人事図書館にて (2024年11月2日)
国際的な舞台でリーダーシップを発揮するために不可欠な要素とは何だろう?そのためにはどのような備えが必要なのか?このようなことを皆さんと共に考え、語り合うことができたら、と企画したHuman Stories初のリアルイベントをAtsuko Jenksさんと共に東京で開催しました。
事業会社で人財育成に従事される方から、教壇に立たれる先生、企業の経営に携われる方と、実に幅広い層の皆さんとの対話は、終始に亘り知的好奇心を刺激されるものでした。
発信する側は "何を伝えたいか" に意識が向きがちですが、"どう伝わったか" にもっと目を向ける大切さを、逆に参加者の皆さんから教えてもらう機会となりました。
ここに、気づきとなった参加者の一人で友人のフィードバック(原文)そして、イベント後のアンケートで寄せられた感想をシェアしたいと思います。
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【売るのではなく満たす】
「Udemyのデキるセールスは例外なく、話すより聴いている」。
中村 浩一郎が訥々と話し始めた。
土曜日に人事図書館で彼とAtsukoさんがグローバル人財について話すというので聴きに行った。人形町にあるここには、同僚が通っていて前々から興味もあった。
中村 浩一郎とは知り合って5年ほどになる。
当時はお互い日本の大手企業にいた。その後、彼は赴任先のサンフランシスコでUdemyに転職し、私は東京で今のITベンダーの会社に落ち着いた。
会うのはWebとリアルでそれぞれ年に1回ずつほど。
価値観がどこか似ているのだが、その時その時一生懸命に取り組んでいることは少しずつ違っている。
理解もできるし、刺激も受ける。
すっかり大切な友人の一人になった。
私は4月に営業・マーケティング統括となった。
チームメンバーの全員が私より経験は豊富な中、売上をグッと持ち上げなければならない。時間もない。改革を進めた。
如何に製品の魅力を伝えるか。
ここに改善の余地がある。
そう信じて、製品特徴の見せ方・伝え方の見直しを進めていった。
最初は手応えがあった。
だが、関心を惹いて終わりでその後が続かない。
何かが足りないと思いつつも、せっかく縁ができた会社の課題と当社のソリューションを結びつける前に商談が終わってしまう。
そんな私に、彼が彼自身のUdemyでのチャレンジを語り出した。
Udemyの営業として彼はある日、あまり上手くいかなかった客先でのプレゼンのあと、トップからアドバイスを受ける。
「営業のトークは文字起こししてある、それを読んでまず学ぶといい」と。
彼がエライのは、それを実際にやって継続したことだ。
取り組み始めた当初はUdemyの会社をどう伝えるか、優秀な営業マンの具体例を知ることが目的だったらしい。
気づいたことを自分でまとめるだけでなく、その人にもコメントバックする。
その内、彼の姿勢は評判になり、それが元で社内ネットワークまで作ってしまう。
その中村 浩一郎が一番の気づきだったと教えてくれたのが、冒頭の一言だ。
私はハッとした。
それこそが私が20代に必死にやっていたことで、今忘れていることだ。
話を聴くためには準備がいる。
ただ頷いているだけでは、話も関係も発展しない。
相手のことを知り、興味を持つまで学んで想像し、それでも知らないことが多くある無知を自覚して、ヒトと会う勇気が必要だ。
中村 浩一郎は彼自身のチャレンジをいつもの笑顔で訥々と話し続けている。
私も弛みなく、彼に学んでまた前を向いて歩いていこう。
土曜日、外は土砂降りの雨だった。
肌寒かったが、セミナー後に彼を含む仲間とシェアしたピザが、沁みるほど旨かった。
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🔹 [イベント前] 申込者より寄せられた期待の声
・未知に対してワクワクしていられるマインドセットの持ち方
・海外に住んだ経験を持つKaneさんの「日本にいること」と「海外に住むこと」に対する考え方を知りたいです。グローバル市民であり続けるにはどうすればよいのか、どこで暮らすべきなのかについて興味があります。
・グローバル人財育成の具体的知見や実例に関心がある
・世界基準の人財育成全般に興味あり
・グローバル人財をあえて定義するとお二人はどのような人だと考えますか?
・人財不足が叫ばれる中、企業が求める人財と、働く側の事情のギャップなどを知って、人財不足といわれている現状の根源を理解したい
・これまで海外でのビジネス経験が無い人が米国でビジネスを始めるためにすべきことを知りたい
・日本のシニア人材がシリコンバレーで活躍できる余地はありますか?そのためにはどうしたら良いでしょうか?
・企業がどのように「グローバル人財育成」をしているのか、どのような学びの場を求めているのか、特にオンラインでの取り組みに興味があります
・グローバル人材育成戦略
・「グローバル人材育成」のトレンドが知りたいです
・本当の意味でのグローバル人材とはについて知りたい
・日本の人財の課題とコーチングのコツ
🔸 [イベント後] アンケートに寄せられた感想
問い:本日のイベントで感じたこと・学びになったことを教えてください)
・素晴らしいセッションでした。久々に二時間が短いセッションでした。
・皆様からの人材育成に関する熱に感銘を受けました。
・AtsukoさんとKaneさんは素敵なダブルスのペアだなと感じました!
・自分次第で組織は変わると感じました!
・すごく気づきが多かったです
・色々海外で経験された方にお話しいただけて勉強になりました。
・似たような課題を感じている人がいて嬉しかったです
・学びを続けることが大事だと改めて感じました。
・面白かった。最近日本に自分は篭りすぎなのかも。
・世界から見える日本の人事の問題点が浮き彫りにされて大変参考になりました
・居心地の悪いところに身をおくことの大切さを学びました!
・お二人とも、過去の経験だけに頼らずに、今の生の現場を見に行ったり、ご自身で体験されたりしているのが印象的でした。
・教科書の内容やルールを覚えることではなく、皆さんがいかに新しい価値を作れるかがポイント。
・普段と違う場で、違う頭の使い方をし、新しい出会いは刺激になることを学びました。久しぶりに”外向きになる”機会を作ってくださった中村さんに感謝いたします!
・話を聞く重要性に気づきました。何を話すか準備していつも面談に望みがち。でもそれ以上に相手を知って興味を持ってからいくといいのだなと。
・マインドセットとやり切る力が重要だと改めて感じました
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企画から場所の提供、当日の運営のサポートいただいた館長の吉田洋介さん、ありがとうございました。名ファシリテーションを学ばせていただきました。
そして、雨の中、3連休の初日にも関わらず、足を運んでくれた皆さん、ありがとうございました。フィードバックの力を皆さんに教えていただきました。
Feedback fosters development and improvement!