社会人一年目の洗礼

社会人一年目で味わったピリ辛な体験

あれは社会人になって間もないときの出来事

僕の生意気な出鼻は完膚無きまでに挫かれました

営業実習初日、先輩社員に付いて営業同行の日

僕は人事研修期間中に貯えた髭を剃ることなく、朝の会議に出席

朝礼後、順番に新入社員と同行する先輩社員がペアで呼ばれる中、最後まで呼ばれることのない僕の名前

『君の髭が似合うとか汚らしいということではない。ただ十人のお客様の中で一人でも、君のその髭が理由でビジネスに繋がらないとなったらどうだろうか?』と、鋭い眼光で尋ねられた課長からの一言

間髪入れず、隣の席の課長補佐から『そのヒゲ剃るか、人事にどうしたらいいですかって聞いて来いっ!』って怒号が飛んだ

その場に20人はいたかな

場が凍りつく瞬間を味わった

言い返す言葉を失い、「学生時代4年も伸ばして一度たりともマイナスの経験を味わったことはない、容姿で人は評価されるものではない」という自負は脆くも見事に砕けた

くやし涙を目に浮かべ、オフィスの1階のコンビニのちっちゃなトイレで買った髭剃りでミミズ腫れ作って髭を剃って、15階まで上がった

『営業がしたいです。連れて行ってください』って頭を深々と下げた

カッコ悪いことだとか、なり振りなんか構ってられなかった

同期はおろか先輩にも、話では役員にまで知れ渡る、そんなことで社内で有名になってしまった社会人スタートでした

思えば、あの出来事が、その後の社会人としての僕の立ち振る舞いを正す大きなおおきなきっかけになったと思います

その後間も無く、件の課長と二人での話したときの衝撃のひと言

『営業としてやっていきたいと本気で考えているなら、外見で人の気を引く事など考えず、仕事で結果を出して目立ってみせたらどうだ? その時こそ、胸張ってヒゲでもなんでも自分のやりたいようにせい』

社会人としての「心構えたるもの」を身をもって体験した出来事です

本気で向き合ってくれた二人の上司

仕事に対して、確固たるポリシーとプライドを持った人たちとの出会いが社会人としての礎を築いてくれた、そのように思います

後日談

あれから5年。。

社長賞

3年目は上司を補佐して得たもの、その翌年は自らがプロジェクトマネージャーとしてチームを率いて掴んだ社長賞

更に翌年の夏休み明け、僕は髭を貯えて出社した

誰にも何も言われなかった

こともあろうか、人事からの要請で髭面の写真が翌年の会社のパンフレットに掲載されることになった

僕がこの経験から学んだことは数知れずある

その中で一つあげるとすれば、驕りが招いた失敗からですら、人は学び、それを糧に活かすことができるということだ

僕は営業をやってきて、誇れることがある

それは社長賞よりも重たいもの

それは自身が担当していた8社すべてのクライアントから、“うちに来ないか” という言葉

それでも、僕がこの会社に最後の最後まで留まったのは、この会社で働く仲間が大好きで、ほかのどこに行くよりも、自分が成長できる場がここにあると信じることができたからだ

学生のみなさんが僕の拙い経験からひとつだけ学んでもらえることがあるとすれば、それは大いに失敗しなさい、そのために大いにチャレンジしなさい、そして失敗することを許容し、奨励する環境に身をおき、そこでとことん自分を高めなさいということ

失敗大いに結構

失敗だらけの人生を歩みながらも、自分が生きたい人生を歩んでいる僕がいうのだから間違いないです。

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