[連載中] ヒューマン・コネクション【7】
いまも続く人生の師との交流 (後編)
“急遽日本へ帰国されたし”
2004年10月。休暇中のベトナムに上司からの突然の電話。それは親会社の日本市場撤退のニュースが日経新聞の一面に踊った日のこと。香港へ来て僅か1年足らずの出来事。まさに青天の霹靂でした。
赴任のチャンスを作ってくれた上司への何の恩返しできていない。忸怩たる思いで香港を後にすることに。
退職願い
帰任してから3ヶ月後に大きな決断をすることになります。”もう一度、一から学び直そう” 。それは社会人10年の節目の年の決断でした。
社会人浪人
僅か1年前には念願の海外赴任を果たし、順風満帆だと思っていた自分の人生。まさかその後これほどまでに変化に富む人生を歩むとは想像もしていませんでした。
“成功の道はただ一つ。自分だけの生き方を見つけることだ” とは作家のクリストファー・モーリーの言葉。
自分の歩みたい生き方とは?家族にとっての幸せとは? こんなことを自問自答して行き着いた学び直しの決断でした。
ノースカロライナ大学 (UNC) との出会い
200校、50校、20校、7校
出願に際して、リサーチした数(200)、絞り込んだ数(50)、参加した説明会の数(20)、キャンパスビジットした数(7)
その過程で、説明会に足を運び、卒業生のパッションを感じ、それがキャンパスビジットに繋がり、現地でアドミッションそして教授・在校生のホスピタリティに触れ、強烈なフィット感を印象づけた学校。それが人生の大先輩である降旗さんの母校ノースカロライナ大学 (UNC) でした。
入学 🌸
入学して3週間後、降旗さんに宛てたメッセージが残っていました。
"How do you want to make your mark at UNC?" (君たちはUNCにどんな足跡を残すことができるだろうか?)
入学式で学長が新入生に贈ったメッセージです。これからの2年間、自分がUNCで過ごしたという軌跡をどう残せるか。自分以外の誰かの為に、様々なことに果敢にチャレンジして参ります。
卒業 🎓
そして2年後。
降旗さんの母校であるUNCとご縁を頂き、無事卒業できただけで十二分と思っていました。
更に嬉しいことがありました。Core Value Award-Teamworkの授賞。それはUNCの長い歴史の中で日本人初の栄誉でした。
降旗さんから届いた祝辞
MBA修了の由 おめでとう。
頑張って努力した成果と敬意を表します。それにも増して、 二年間で培った色々な人との友情と信頼、 そして アメリカという国をより良く理解したことが 君の一生の宝になると確信しています。 学業以外にも大活躍した由で嬉しく思います。
貴君をUNC-Chapel Hillに推薦した一人として貴君のAccomplishmentに対し、心から敬意を表します。
帰国後も益々の活躍を祈ります。奥様にもねぎらいの気持ちを伝えてください。帰ったら連絡をしてください。
降旗
卒業後も続く交流
永遠のライバル校Dukeファミリーの皆さんとのバスケットボール観戦 (2012/3/4)
卒業から17年が経過した今も、母校のためにOBとしてどのようなことができるか、降旗さんと意見交換させてもらうことが日本帰国の大きな愉しみとなっています。
最後に
お会いしてから実に31年あまりの歳月が経ちました。
降旗さんのリーダーとしての立ち居振る舞い、人を魅了してやまないユーモア溢れるお話、そして誰からも愛されるそのお人柄に、魅了され続け、いつの日かこの方が山の頂から見られている景色、その世界観に触れたいと憧れを抱いている自分がいました。
人との出会いを大切にされ、利他のお気持ちで人とのご縁を繋ぎ、誰に対してもフェアに接する降旗さんのお姿から、これからもたくさん学ばせてください。
今日は降旗さんの95歳の誕生日、おめでとうございます。