お義父さんからの手紙
テーマ:人
カテゴリー:感謝
奥さんのお父さんとのお話。
23年前、NHKの番組「プロジェクトX」で屋久杉を守った男たちのロマンに惹き込まれ、屋久島で年を越すことを突如思い立った。
屋久島に共に登る、という目的に一片の曇りもないことに、旅行を許してくれた義理の両親。
彼女を実家の熊本に迎えに行き、お父さん・お母さん、親戚に挨拶を交わし、おじいちゃんから笑顔でかけられた「孫をよろしく頼みます」という言葉は今でも鮮明に覚えている。
それはまるで、未来の約束がそっと守られるような瞬間だった。
その後、毎月のように旅行を企画しては、色々なところを訪れた。
親の心配を顧みることなく、”事前にお伝えすればお許しをいただける”、そう拡大解釈した当時の僕。。。
若気の至り、としか言いようがない。
半年が経ち、7回目の旅行先が京都だった。
その旅行で、僕は彼女にプロポーズをして、幸せの報告ができると帰路に着いた彼女の机に置いてあった一通の手紙。
それは、彼女が生まれて初めて父親から受け取った彼女宛の手紙でした。
”これまで二人の幸せを願って、旅行を許してきました。でももし今回の旅行で、浩一郎さんから先々の話が無かったら、次のシカゴへの旅行は賛成できないことを理解して欲しい。”
すぐに出張中のお父さんに初めて送った携帯からのショートメール。
”お父さん、ご心配おかけしました。浩一郎さんからプロポーズをいただきました。”
間も無く、お父さんからの返信。
”お父さんの取り越し苦労でしたね。おめでとう😊”
23年が経ち、彼女との時間は深まり、感謝と謙虚な気持ちが入り混じった心の奥底に刻まれた。
そして、年末にお義父さんと車の中で二人きりになり、あの時の手紙のことや心配をかけたことへの謝罪、感謝の気持ちを23年越しで告げることができました。
お義父さんとの照れ臭い男同士のやり取り。
その感動の瞬間が今も心に響いています。